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25. [二次性白血病] PTCy(移植後シクロホスファミド)

移植のドナーが次男に決まり、スケジュールが固まってきた12月下旬、主治医から一般的な骨髄移植とはやや異なる方法を提案された。成育が中心になって実施している臨床試験で、HLA一致ドナーからの骨髄移植の際に、免疫抑制剤(シクロスポリンやタクロリムスなどのカルシニューリン阻害薬)を使わず、代りに移植のすぐ後にシクロホスファミドを大量に投与する"PTCy"(Post-Transplant Cyclophosphamide: 移植後シクロホスファミド)によりGVHDを予防する方法である。

PTCyは、GVHDリスクの高いハプロ移植(HLAが半分適合する場合の移植。必ず半分一致する親子間など血縁者間で行われることが多い)で普及し始めたものらしいが、そもそもGVHDリスクの低いHLA一致ドナーからの移植であれば、最初から免疫抑制剤を使わずにPTCyだけでGVHD対策できるのではないかという考えだ。というのは、骨髄移植の課題として、前処置も含めた移植そのものよりも移植後のGVHDの方が危険度が高く、一方でGVHD予防のための免疫抑制剤(長期間使用しなくてはならない)がQOLを著しく損なう傾向にあるため、免疫抑制剤を使わずに済むことの利点は大きい。ただ、この臨床試験に参加したのは、話を聞いた2016年12月時点ではまだ1例のみ。順調に経過しているということだったが、n=1では参考にはならない。

主治医の先生からの真摯な説明に対する信頼感と、新しい方法に取り組む方が悔いは残らないだろうという思いから、基本的にはPTCyの治験に参加するつもりでいたが、自分達で理解を深めるために、ネットからの情報収集も参考に、妻と二人でプロ・コンをよく検討してみた。※グーグルで"PTCy"を検索すると色々出てくるが、例えば、https://www.jstage.jst.go.jp/article/hct/4/1/4_9/_pdf など良くまとまっていて、全体観を持って理解しやすい。

我々なりに理解したところでは、PTCyでも、免疫抑制剤使用でも、GVHD予防効果に違いは無いだろうし(少なくともどちらが良いと言えるほどのエビデンスはない)、もしPTCyでグレード2以上のGVHDが起きた場合は状態に応じて免疫抑制剤を使うことになるため、結局同じこと。しかし、GVHDが起きなかった場合は、PTCyでは移植後3日目と4日目の2日間だけシクロホスファミド(エンドキサン)を投与するだけで、強い副作用のある免疫抑制剤を最低6ヶ月も「予防」のために飲み続け必要が無くなる。唯一PTCyの気持ち悪い点は、新しい幹細胞を入れた後に、ALL治療でおなじみの抗がん剤(シクロホスファミド)を投与すること。今回の治療が、以前の抗がん剤治療に起因すると疑われる二次がん(二次性白血病)だけに、またこれが将来のがんの引き金にならないか懸念は残る。シクロホスファミドはリンパ球の増殖には作用するが、幹細胞に対する毒性はさほど強くないという説明もあり(だから移植後に使われる)、総合的に判断してPTCyに期待することにした。

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